Slurp
2008 年 5 月 6 日
Maker Faire出展につき更新が滞っていました。今日は本年度のCHIにて発表された、locative mediaとのインタラクションを目的としたタンジブルインタフェースSlurpを紹介します。
Abstract
Slurpは、日常的な環境の中で、フィジカルオブジェクトとディスプレイの間で、ディジタルデータを抽出したり注入したりするポインタ型デバイスである。点眼器のアフォーダンスに基づき、触覚的、ならびに、視覚的フィードバックを提示している。
具体的には、フィジカルオブジェクトの前でSlurpをかざすことで、そのオブジェクトのデータを吸い出すことができる。このデータ時、デバイスに振動が加わり、デバイス内部のLEDが段階的に点灯する。次に、データをディスプレイの任意の点にかざすことで、コンピュータに抽出したデータを移動できる。この時、デバイスに振動が加わり、LEDが段階的に点滅する。
本デバイスは、IR通信ノード、フルカラーLED、Force Sensing Registor、vibrotactileアクチュエータで構成される。まず、フィジカルオブジェクトにはIRノードが設置されており、デバイスのIRノードで当該データを受信する。データを受信している間、フルカラーLEDはアナログ出力を通じて点灯し、同時に、vibrotactileアクチュエータが動作する。次に、データをコンピュータに移動させる際、タッチディスプレイにより任意の場所が決定される。デバイスを押すことで、Force Sensing Registorの値が変化し、データ注入を開始する。この時、LEDおよびvibrotactileアクチュエータが動作する。
—
Zigelbaumが、ディジタルデータを水のように扱うSlurpを開発した2つの背景として、液体のメタファおよび抽象的なディジタルデータの問題があげられる。
まず、Zigelbaumは、ディジタルデータと水を同じように扱うことを提案している。すなわち、手で操作するのが難しく、正確な操作を実行するには、なんらかの特殊な道具を必要とする、という考え方である。
次に、Zigelbaumは、抽象的なディジタルデータを題材にTUIとGUIの性質について述べている。第1に、抽象的なディジタルデータは、具体化(embody)することが難しく、GUIのような画面を主体としたインタラクションに限定されるが、物理的なフォームと一体になることでメリットを享受できる。第2に、ディジタルデータとフィジカルオブジェクトの間のマッピングは、トークンやファイコンなどの利用において見られるように、強い結び付きやアフォーダンスに欠ける。
これらから、Slurpは、水のメタファを利用し、水を扱う点眼器のようなデバイスに触覚フィードバックを付与することで、タンジブルとディジタルの間に存在するマッピングの問題の解決を試みたのである。
Idea
TUIにおけるフィジカルデータとディジタルデータのマッピングにおけるアフォーダンスの欠落をいかに解決するか。
Meta Info
:: desiner
Jamie Zigelbaum
Adam Kumpf
Alejandro Vazquez
Hiroshi Ishii
::affiliation
MIT Media Laboratory
::Publications
Slurp: tangibility spatiality and an eyedropper
CHI ’08
Pages 2565-2574
Florence, Italy
::URL
Jamie Zigelbaum
Tweet