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This blog introduces interaction designs in the world!

EverybodyLovesSketch

2009 年 10 月 17 日

今回はUISTで発表されたジェスチャーベースの3DカーブスケッチングシステムであるEverybodyLovesSketchを紹介します。

t_alltogether.jpg

EverybodyLovesSketchは3Dカーブスケッチの初学者のためのシステムです。パースペクティブドローイングの重要な要素は補助線の構築にあります。通常プロは、3次元上のモノの高さ、幅、奥行きに関する補助線を多様して描画するのに対して、初学者はその知識がないためのほとんど補助線を引きません。本システムではいくつかのスケッチサーフェイスインタラクションテクニックによりこの問題を解決しようとしています。たとえば、初学者を支援するために、チェックマークジェスチャを使った平面選択、ビュー変更なしでの押し出し方向の定義、複数サーフェイスの選択からの押し出し、3Dカーブのコピー&ペースト、3Dカーブを用いた自由曲面スケッチ、平面上でのインタラクティブグリッドなどなど。

EverybodyLovesSketch from Seok-Hyung Bae on Vimeo.

Annotation

関連研究にもある五十嵐先生や筆者らの研究を見ていると、改めてGUIの奥深さを知るとともに、いかに初学者の描画能力を上達させるか、そのためのデザインに興味を抱きます。特に3Dグラフィックス描画サポートシステムにおけるデザインのポイントは、いかにして初学者の立体把握能力の向上をコンピュータがサポートするかという点が問題となります。 Baeらは前述したようにこの点についていくつかのインタラクションテクニックを導入しています。

EverybodyLovesSketchは3Dのオブジェクトをコンピュータディスプレイ上の3次元空間に構築するためのシステムであるのに対して、アナログのスケッチは、実空間上の3Dオブジェクトを2次元平面に投影する能力という意味での(微分的)平面構成能力を必要とします。美術予備校では、ひたすらにデッサンを繰り返すことでこの能力を鍛えていきます。このような能力は高校生という比較的遅い段階から獲得するのではなく小学生の段階で獲得することはできないのでしょうか?

事実、就学前の幼児はお絵かきを好みますが、就学後、特に高学年に近づくにつれ、絵を描くことに対する興味を失います。この理由は、平面構成能力が低いままリアリスティックな表現を志向すること、批評能力が高まるため自分自身の再現能力に絶望すること、が原因と言われています。やがて彼らは絵を描かなくなり、文学の創作に興味を持ちはじめるのが一般的です。

では、このような問題点を踏まえた上で、小学生に対し絵の上達の鍵となる平面構成能力を持たせるために、どのようなアプローチが考えられるでしょうか?個人的には、以下の2点が重要なポイントであると仮定しています。
1. 対象への興味
2.最終到達点と過程の把握
第1に、平面構成の対象に興味を持つことが重要と考えます。好きなキャラクター、ペットなど、愛着のわく対象をデッサンの対象とし、繰り返しトレーニングを行いスキルを向上させるモチベーションを抱かせる必要があります。第2に、ゴールとゴールまでのプロセスをユーザが追従することができることが重要と考えます。初学者にとっては、特にその完成形を確認できるだけでなく、完成までのプロセスを確認し、真似をすることによって上達が加速させることが必要です。これら2つのアプローチを導入したアプリケーションについては別エントリで紹介させていただきたいと思います。

Afterword

学会やらシンポジウムの運営やら相変わらずなかなかblogを書く時間をとれない日々を過ごしている中での久々のポストでした。月末にCreativity & Coginition 2009に参加するのでまたネタでも探してこようかと思います。

Meta Info

:: desiner
Seok-Hyung Bae
Ravin Balakrishnan
Karan Singh

::affiliation
University of Toronto

::Publications
EverybodyLovesSketch: 3D sketching for a broader audience
Symposium on User Interface Software and Technology(UIST) 2009
Pages 59-68
Year of Publication: 2009

::URL
EverybodyLovesSketch

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