Smart Textiles
2009 年 8 月 21 日
ここ数年、lilypadを始め、縫製とセンサ/アクチュエータ・テクノロジーの関連が強まっている。今回は「スマートテキスタイル」という観点からセンサあるいはアクチュエータとして振る舞う新素材・新技術を紹介していこう。
INNTEX社のSmartTextilesシリーズから押すと光る布。光っているのはELワイヤです。バッテリによる駆動も可能。
Conductive Fabric Pressure Sensor
Velostat(3M, 伝導性シート)と伝導性ファブリックを組み合わせて制作されたファブリックタイプの圧力センサ。
UC BerkleyのAdrian Freedによる近接センサ内蔵ファブリック。CapSenseを使って接触および近接情報を取得し、LEDを光らせている。
Ted Ullrichがジョージアテック時代に開発した形状記憶テキスタイル。Nitinol(ニッケルとチタンの合金)と布を組み合わせて、形状を電気的に制御しています。Nitinolによる形状操作手法は以前紹介したPhillipsのSkorpionsでも採用されています。
Responsive textiles at TechTextil in Frankfurt
こちらもkinetic系。デンマークのデザイン会社 DiffusとテキスタイルデザイナーPriya Maniによるコラボレーション。詳細な仕組みは掲載されていませんが、MITのMarcelo CoelhoによるShuttersと同様に、形状記憶アレーでも使っているのでしょうか。
さて、ここまでセンサ/アクチュエータについて5つのマテリアルを紹介しましたが、光らせる、動かす、などといったマテリアルレベルでは今後は差がつかないような気がします。このような状況に対して、いかにインテグレーションし、ファッションとしての素材と形状のコンポジション(つまりデザイン!)に対して新しさを体現できるかが問題でしょう。すでにフセイン・キャラヤンなどの先鋭的なデザイナーはショーでもスマートテキスタイルを用いた作品を展開していますが、研究者視点でのファッションのコンポジションについて考える段階に来たといえるでしょう。
Idea
昨今、マテリアル(素材)については、テクノロジーやソフトウェアの発達によりビギナーでも容易に作れるようになりました。しかしながら、コンポジション、つまり、構成・編集技法、については以前として経験が必要とされ、ビギナーと経験者の壁は厚いです。これは音楽や映像における状況とも酷似しています。今後これらの領域に関する研究テーマはこちら方面にシフトすることは間違いなく、いかにしてパタンやメカニズムを抽出し、創造性の関与する部分を明確に区分できるかが鍵となると思っています。
Afterword
前回のkinetic artからいつのまにか4ヶ月ほどたってしまいました…。ここ2回ほどまとめ的な記事が続いていますが、各論についてもTEIの残り、CHI, IDC, SIGGRAPGHなどアップしていないものがいくつかあるので今後時間を見つけてポストしていくつもりです。
Tweet